患者と臓器提供者の比率は100対1、中国

2010年3月29日、中国では臓器移植を必要とする患者数に対してドナー数が極端に少なく、それが臓器売買で暴利をむさぼる闇ブローカーの暗躍につながっている。「正義網」が伝えた。

記事によると、中国では毎年150万人が臓器移植を必要としている。しかしそのうち移植を受けられるのは1万人前後で、移植を受けられる確率は1%にも満たないという。中国でドナー数が少ないのはドナー登録制度などが整っていないためだと同記事は指摘する。一方で、その巨大な市場を狙った闇ブローカーが、ドナーと患者の橋渡しをするという構図ができているという。

お金に困って臓器を売りたい提供者と、ドナーが現れるのをひたすら待つ患者。闇ブローカーは、非常に巧妙な手口で両者の弱みにつけこむ。インターネットなどを通して肝臓や腎臓の提供希望者を募り、口裏を合わせて臓器提供者を患者の親族と偽り、偽造の証明書なども準備する。そして中国に100以上あるといわれる臓器移植手術可能な病院などとも協力し、移植手術をする。

肝臓移植の場合、ブローカーが臓器提供者に支払う報酬は数万元(数十万円)で、患者側から受け取る費用は提供者の入院費込みで15万元(約200万円)程度だという。末端のブローカー関係者は逮捕・起訴されることもあるが、トップが表に出ることはほとんどない。国内で活動するブローカーだけでも数え切れないが、香港・マカオ・台湾の患者を専門に扱うブローカーや海外の患者への提供を専門とするブローカーも、かなりの数に上るとみられる。


引用   Record China