春の眠気は“病気”だった!

春、満開ですね!春のオフィスといえば、そう、やはり主役はフレッシュな新入社員の方々。新しいビジネススーツだけではない、なぜか一目で分かる“あのオーラ”、とてもさわやかやです。ただ、本人達は、新たな環境や生活リズムに慣れるのに精一杯で、気は張っているはずなのに、研修中、会場が暗くなると、ついウトウトしてしまいがちです。


 もう一つ、春の代名詞といえば、大敵“花粉症”。今や国民の2〜3割の人は花粉症に悩んでいるといいます。睡眠中に鼻がつまったり、早朝にくしゃみを連発したりするせいで、眠りの質は悪くなります。さらに抗ヒスタミン薬の服用も重なり、頭がボォーとして、眠くなりがちです。そして、春の穏やかな陽気に包まれていると、これまた心地良くて眠くなり、そう、春は眠気の季節です。

「会議中に眠くなるのは春に限らないし、休日は昼まで寝ているのに、仕事中に眠くて仕方ないわ」というあなた、それは慢性的な寝不足のサインかもしれません。私たちのクリニックには、会議中やデスクワーク中の居眠りなど“オフィスでの眠気“でお困りの方が、よく相談に訪れます。一昔前には、昼間の眠気などは“気合いが足りない!”と上司に一喝されて終わっていましたが、最近はネットなどで調べて、「昼間眠いのは過眠症かも?」と上司に勧められて、受診される方が増えてきました。

 過眠症とは、昼間の耐えられない眠気や居眠りを繰り返す疾患の総称。その代表にナルコレプシーが挙げられますが、なんと寝不足によって眠気を生じている状態も含まれ、「行動起因性の睡眠不足症候群」とれっきとした診断名がついています。

「睡眠不足症候群」はこうチェック

 昼間の眠気があって、平日と休日の睡眠時間に2〜3時間差があったら、睡眠不足症候群の疑いがあります。典型的なパターンは、多忙で帰宅が遅い平日は睡眠時間4〜5時間と短く、休日は8〜10時間に睡眠時間が長くなるというのが1週間のリズムになっていて、職場で眠気や居眠りを繰り返す状態です。平日と休日の睡眠時間に差が大きいのは、寝不足のサインです。せっかくの楽しい週末なのに、長時間眠っているなんて、よく考えたらもったいないと思いませんか?

 対策は、自身が睡眠不足に陥っていることに気づき、毎日適切な睡眠時間を確保していくこと。では適切な睡眠時間とは何時間でしょうか? 必要な睡眠時間には個人差がありますが、眠気や居眠りで支障がある際は、まずは7〜8時間を目安に、毎日きちんと眠ることをお勧めします。忙しい方も、しばらくは仕事より睡眠の優先順位を上げてあげることが大切です。

 また昼間の眠気対策としては、ズバリ昼寝をすること。何もパジャマに着替えて布団に入る必要はありません。ソファーや椅子に座ったままで、20分程、眠るというよりは、目を閉じるという感じで十分です。ランチタイムのラストに“チョコッと昼寝”する習慣は、午後の眠気対策に有効です。

 ポイントは15時までに、20分以内の昼寝にすること。これ以上長く眠ると、深い睡眠に陥り、起きてもボッーとしてしまいます。また、これ以上遅い時間に眠ると、夜の寝つきが悪くなるので注意して下さい。

 春は、お花見や歓送迎会などで帰宅が遅くなり、さらに寝不足になりがちです。皆さん、春の眠気にご用心を!

        
引用    日経ウーマンオンライン