心臓の筋肉、別種細胞から作製=遺伝子導入で直接転換―マウスで初成

 心臓で血液のポンプ機能を担う心筋細胞が、心臓の7割を構成する線維芽(せんいが)細胞に3種類の遺伝子を導入するだけで作られた。米グラッドストーン研究所の家田真樹研究員(現慶応大医学部助教)らがマウスで初めて成功し、6日付の米科学誌セルに発表した。
 家田さんらはこの細胞を「誘導心筋(iCM)細胞」と命名。ヒトの心臓線維芽細胞でも作製を試みている。成功すれば、将来は心筋梗塞(こうそく)や拡張型心筋症の患者に遺伝子群を注射するだけで治療できるようになると期待される。
 心臓の再生医療はこれまで、皮膚などの細胞を材料として、山中伸弥京都大教授らが開発した万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」を作ってから、心筋細胞に変えて移植する方法が有力視されていた。
 しかし、iCM細胞は線維芽細胞を直接転換するため、作製期間が2週間と、iPS細胞経由の場合に比べて半分で済むほか、がん化する危険性が非常に低い。さらに腕の血管からカテーテル(細管)で遺伝子群を心臓に注入する方法が実現すれば、胸を切開して移植する手術も不要となる。 

引用 Yahoo!ニュース